結婚して数年経ったある日、夫が仕事から浮かない顔をして帰ってきました。

何度もどうしたの?と聞く私に一言、ごめん!と言って黙り込んでしまいました。

それでも話して欲しいと言う私に少しずつ事情を話してくれました。どうやら仕事の取引先で同伴していた後輩が機材を破損したらしく、それを弁償する費用を会社が出せないため、自分が被るしかなくなったとのことでした。

その額がちょうど私たちの貯めていた額と同じくらいでした。「仕方ないよ」と言って慰めたものの、内心はヒヤヒヤでした。

ただでさえ余裕のない生活の中、月初めに風邪をこじらせて一日入院となり医療費がかさんでいたのです。

それでも私もパートをしていましたので、なんとかなる、と自分に言い聞かせて節約することを心に決めたのでした。

機材の弁償をすると本当に口座はすっからかんになってしまい、給料日までの生活は財布の中に入っていた2千円ほどしかありませんでした。

そんな時、普段はこちらからしかかけない主人の実家から電話がかかって来ました。

父が危篤だと言うのです。主人の実家までは車ではいけないので飛行機か新幹線を取るよりほかありません。

ざっと計算しただけでも往復2人分で10万円。それだけでは済まないので、信頼できる友人に15万円借り、3回に分けて返済しました。